エリート医師の溺愛処方箋
男の事に気を取られているようでは患者の命を奪いかねない。
そっと振り返り、千尋の様子を窺う。
四日前に交通事故で運ばれてきた小学生の男の子の顔を覗き込んでから、ベッド横の装置の画面を見る。
意識がない彼の頭をそっと横向きにして、その長い指で頭の表面を触診する。
そして側で控えている師長に何かを伝えてから、隣の患者のベッドへと向かう。
……そこにいるのは、愛を囁くだけの甘く優しい男ではない。
――紛れもなく、エリート医師、
夏目千尋だった。