断崖のアイ
 普遍の輝きを見いだし、わたしはいま強い精神を身につけてここにいるのです。

 わたしは確かに存在しているのだと、ようやく感じることが出来ました。

「それはあなたと出会い、全てを懸ける価値あるものを手にした喜びに他ならない。何もかもを懸けられるものに出会える人間はほとんどいません」

その中で、そのような存在に出会えたわたしは幸福です。

 青年はそう語り、ゆっくりと視界にある雑木林に足を向けた。ベリルもそれに続く。

「何故だ」

 再び静かに問いかけた。

 広葉樹の雑木林は強い陽差しにより陰影を際立たせ、2人の影をもそこに存在しているかのように濃く現している。

 青年の言葉を推察した限りでは、それは新たな組織の存在を示している。
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