カセットテープ
「別にないっすけど、同級生がいびられてちゃあ黙っていられないだけっすよ、先生」
最後の先生の言葉だけ強調して愛敬たっぷりに楢崎が言った。
ハゲタカ先生がまたグチグチ言う前に楢崎は言葉を続ける。
「先生さあ、各務が遅刻した理由知ってるんだよな?」
「お前っ! 先生に向かってなんだ、その口の聞き方をして」
「流行らないよ、今どきそんなこと言う先生なんてさ。で、知ってるんだよな?」
苛立ちを隠しもしない表情でハゲタカ先生は、当たり前だろと言いたげに鼻を鳴らした。教室中の生徒達が見てるいるにもかかわらず。
近くで成り行きを眺めているキョウは、自分の遅刻の所為でこんなことになったはずなのに、無関係そうに欠伸を一つする。
それを偶々見ていたハゲタカ先生が、人差し指をキョウに向けた。
「今の見たか? こいつは寝てて遅刻したんだろがあ。当たりだろ、楢崎」
自信満々に自分が正論だとでも思っているハゲタカは、バカにしたようにキョウを笑う。
それを見た楢崎は両手を上げて、やれやれといったポーズをした。
「先生さあ、今日の昼頃に流れた校内放送聞いた? 多分聞いてないでしょ、こんなこと言うぐらいだから。こいつは、今まで職員室で怒られてたんだよ。だから遅刻したわけ。わかった? 先生」
楢崎は笑顔を張り付けたまま、おちょくったような口調で言った。
ブルブルと唇が震え、ハゲタカ先生の顔が紅潮していく。
その姿が面白かったようで、見ていた生徒達が肩を震わせ笑いだした。
「お前たち笑うな! くそっ! 授業始めるから楢崎、各務はさっさと席に座れ」
顔を真っ赤にして怒鳴り散らし、ドスドスと音が鳴りそうなほどの足取りで、教卓の前まで行く。そして黒板に字を書き始めた。
「各務、サンキュ。ハゲタカの奴を懲らしめる機会をくれてな」
「中学の時からお前、いつも教師と仲悪いよな」
肩を掴んできた楢崎を呆れたようにキョウが見た。
「まあな。どうもすかねえんだよな、先生って奴をよ。こればっかりは自分でも分からねえんだ」
おちゃらけた表情でいつも笑っている楢崎が、辛気臭い顔をしてらしくない言葉を言った。
そんな楢崎をキョウは訝しそうに見る。
「お前熱でもあるんじゃないのか」
「茶化すなよ」
楢崎はいつもの調子で笑い切れ長の二重瞼が細くなった。
最後の先生の言葉だけ強調して愛敬たっぷりに楢崎が言った。
ハゲタカ先生がまたグチグチ言う前に楢崎は言葉を続ける。
「先生さあ、各務が遅刻した理由知ってるんだよな?」
「お前っ! 先生に向かってなんだ、その口の聞き方をして」
「流行らないよ、今どきそんなこと言う先生なんてさ。で、知ってるんだよな?」
苛立ちを隠しもしない表情でハゲタカ先生は、当たり前だろと言いたげに鼻を鳴らした。教室中の生徒達が見てるいるにもかかわらず。
近くで成り行きを眺めているキョウは、自分の遅刻の所為でこんなことになったはずなのに、無関係そうに欠伸を一つする。
それを偶々見ていたハゲタカ先生が、人差し指をキョウに向けた。
「今の見たか? こいつは寝てて遅刻したんだろがあ。当たりだろ、楢崎」
自信満々に自分が正論だとでも思っているハゲタカは、バカにしたようにキョウを笑う。
それを見た楢崎は両手を上げて、やれやれといったポーズをした。
「先生さあ、今日の昼頃に流れた校内放送聞いた? 多分聞いてないでしょ、こんなこと言うぐらいだから。こいつは、今まで職員室で怒られてたんだよ。だから遅刻したわけ。わかった? 先生」
楢崎は笑顔を張り付けたまま、おちょくったような口調で言った。
ブルブルと唇が震え、ハゲタカ先生の顔が紅潮していく。
その姿が面白かったようで、見ていた生徒達が肩を震わせ笑いだした。
「お前たち笑うな! くそっ! 授業始めるから楢崎、各務はさっさと席に座れ」
顔を真っ赤にして怒鳴り散らし、ドスドスと音が鳴りそうなほどの足取りで、教卓の前まで行く。そして黒板に字を書き始めた。
「各務、サンキュ。ハゲタカの奴を懲らしめる機会をくれてな」
「中学の時からお前、いつも教師と仲悪いよな」
肩を掴んできた楢崎を呆れたようにキョウが見た。
「まあな。どうもすかねえんだよな、先生って奴をよ。こればっかりは自分でも分からねえんだ」
おちゃらけた表情でいつも笑っている楢崎が、辛気臭い顔をしてらしくない言葉を言った。
そんな楢崎をキョウは訝しそうに見る。
「お前熱でもあるんじゃないのか」
「茶化すなよ」
楢崎はいつもの調子で笑い切れ長の二重瞼が細くなった。