あなたたちは私の宝物
『絶対堕ろさない!ママは私が幸せになるの
見守ってくれないの?』

『幸せになんか絶対になれるわけないわよ』

『ママに何がわかるの』

『考えなくたってそんなのわかるわよ』

『ママと同じには絶対ならないんだから!』

私の言葉にママは黙ってしまった

私もそこまで言うつもりなんてなかったのに

ママは立ち上がって私に近付いてきた

何をするかと思うと、私の服を掴んだ

『今すぐ堕ろしに病院に行くわよ!』

私を引きずろうとした

『ちょっ!辞めて!』

マサがママを止めた

『もういいよ!』

私は立ち上がって、ママを睨みつけていた

私の視界は涙で歪んだ

ママも泣いていた

そんなママを置いたまま私とマサは家を出た

もうママとの縁は切れた

どうにもならない

ママは私の幸せなんて願ってくれてなんかない

今まで私を育ててくれた事はありがたい

だけど、もうママなんて親じゃなくたっていい

私が居なくなったって
弟が居るんだからママは悲しんだりしない

私の事なんて、もうどうでもいいんだ

私にはマサが居るから

そしてお腹の子供も居る

幸せになれるはずだから

20歳になったら、勝手に入籍すればいいだけ

今は仕方ないけど何とかなるはずなんだ
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