あなたたちは私の宝物
ようやく2月2日になった

この日をどれだけ待っていた事か

書類の準備も万端

ママからは昨日電話がかかってきていた

いよいよ明日だねって

それなのに、マサは朝から具合が悪かった

風邪で熱を上げていた

仕事も休んでしまった

外は猛吹雪だった

北国に住んでる事を今までで一番後悔した

どうやって市役所まで行ったらいいのか

免許も持ってないしこんなに大きなお腹で

だけど今日は絶対に逃したくなかった

待ちに待っていたこの日

マサは薬が効いて眠っていた

こうなったら…

マサのお母さんに話した

マサのお母さんは早速準備をして
私を市役所まで車で乗せてってくれた

家で眠っているマサを置き去りにしたまま
市役所へ向かった

市役所の職員が私のお腹を見つめながら
婚姻届を受理してくれた

その目線が痛かった

お腹が大きかったら何なのよ!
と思わず叫んでしまいたくなる

それをぐっと我慢した

こうして記念すべき
2月2日は慌ただしく過ぎていった

2人揃って出したかった婚姻届も結局1人

マサも休んで家に居たのに、1人だった

計画していた事が上手くいってくれない

それでも、ようやく私とマサは夫婦になれた

私はようやくマサと同じ名字になれたんだ
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