ヰタ・セクスアリス(vita sexualis)物語
「どうだって……言われても…」

純は髪の毛をかきあげながら切れ切れになる思考を纏めようと必死だった。そしてようやく正常な状況判断が出来る様になってから徐に口を開いた。

「どうだって……親父がそれで、良くて、茜さんにも異存が無いのなら俺が反対する理由は……なんにも…」

それを聞いた父親は俯き、純の視線を避ける様に更に話を続ける。

「――実はな…純…」

「な、なんだよ…」

「増える家族は母親だけじゃ無いんだ」

そう言う父親の言葉の意味を純は理解出来なかった。

「増える家族って?」

父親は純と視線を合わせるのを避けて、ぼそぼそと呟く様にこう言った。
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