ヰタ・セクスアリス(vita sexualis)物語
「彼女の……茜君のお腹には、私の子供が居る」

純は何故か一陣の風が吹き抜けた様な気がした。

「は?」

子供……純はその言葉の意味を理解するのにかなりの時間を要する事になった。つまり純は高校生の身になって兄と呼ばれる存在になる訳だ。

「――何やってるんだよ……親父…」

純は開いた口が塞がらなかった。

そして、ただ父親の顔を見詰めるしか無かったが、何となく何かが吹っ切れた様な気がして、大きく一つ溜息をついた。

父親が純の人生に口を出さないのと同じで、純も父親の生き方には口を出さないのが基本だ。だから好きにすれば良いと頭の中では思ったが現実はやはり抵抗が有る。新しい母親が出来ると言う事に……しかも一回り位しか年の違わない若い母親である。
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