空しか、見えない
「じゃあ、俺も!」

 純一も、負けじとそう言ったのがおかしくて、女子は声を揃えて笑った。

「そういえば、純一って、案外いい体していたのよね」

 マリカが、艶やかな前髪を耳にかけながら、片目をつぶって言う。

「ピアニストって、アスリートみたいに筋肉がつくって言うでしょう? 女の人なら、ドレスを着ていても、腕なんかむきむきなんだってね」

 フーちゃんは、少し照れながら、純一の方をそっと見つめる。
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