空しか、見えない
 ボードの上で這いつくばってパドリングをしていた義朝は、心の中で何を思っていたのだろう。まさにやって来たいい波をキャッチして立ち上がろうとした瞬間、義朝のこめかみに、ジェットスキーの先がぶつかった。
 すぐに浜辺に運ばれ救急車にのせられたが、ジェットスキーヤーの姿は消えていた。事もあろうに、そのまま、逃げ去ったというのだ。海を楽しむ人間の風上にも置けない輩が、義朝の命を奪った。
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