空しか、見えない
 のぞむから自分は、どう見えているのだろう。
 こんな雨の日になんて、再会したくなかったな。雨なのか潮風のせいなのか、髪の毛はもうぺしゃんこだ。全身、雨粒で濡れているし、もう、最悪だ。どうして言ってくれなかったのよ、千夏。佐千子の心の中は、憤りでぐらつく鍋の中のようになっている。
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