空しか、見えない
 女の荷物なんか持つようになったのぞむは嫌だと、佐千子はますます思った。そうやって、必死に嫌なところを見つけようとしている自分も情けなかった。

「ごめんね、サセ。怒ってる?」

 いつしか隣に千夏が、そっとやって来て耳打ちする。

「別に」

「いやだー、サセが別にって言うときは、すっごい怒ってるときなんだもん。そんなのいやだー」

 よりによって千夏は大声をあげる。
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