空しか、見えない
 千夏の言葉に、マリカは深々とため息をついた。

「だからさ、千夏、もう大人なのよ、わかるでしょう? そう言われたら、サセ余計に困っちゃうじゃん、もう」

 マリカは苛立った口調でそう言ったのに、千夏も反論する。

「じゃあ、どうしたらよかったわけ? 私、どうにもできないじゃない」

 車の中に、一瞬気まずい沈黙が流れた。
< 139 / 700 >

この作品をシェア

pagetop