空しか、見えない
「だろう? おじさんも、みんながまた来てくれて、うれしかったからさ」

 純一は自分にも注がれたビールを、おじさんに向けて飲み干した。

「俺さ、じゃあ先に報告するよ」

 純一の手は真っ白で、指が長い。いかにもピアニストの手だ。グラスのビールを飲み干すと、純一が口にした。
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