空しか、見えない
「さ、続きがあるなら、聞かせてよ」

 そう呼びかけられて、のぞむも素直に頷いた。

「子どもは、俺の子ってわけじゃないんだ。ルームシェアを始めたときに、母親の方は、すでに大きなお腹をしてた。大きなお腹で、途方に暮れてた。セントラルパークのベンチで、相手に出て行かれて途方に暮れてて、俺は俺で、あまりの孤独と空腹でさ、頭がおかしくなりそうだった。やがて赤ん坊が生まれてくるとわかっていてルームシェアを引き受けたんだから、子どもが生まれて障害があって、じゃシェアはここまでなんて、俺にはできなかった」
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