空しか、見えない
 わんこそばはほんのひと口ほどだが、食べ終わるかいなかのうちに、後ろからお代わりそばを投げ入れられる。

「はい、もっと」

「はい、じゃんじゃん」

「がんばって〜」

 それぞれ、後ろにつく和服姿のおばさんたちのかけ声の調子にやられてしまう。
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