空しか、見えない
「で、あっさり負けてやんのな、義朝」

 のぞむが、よほど畳が懐かしいのか、まるでい草に鼻をすりつけんがごとく、寝転がって呟く。

「残った相手が女の子だとわかると、とたんに戦意喪失しちゃったのよね。義朝、優しかったからね」

 フーちゃんは、いつの間にやらまたダテ眼鏡をして、目尻に手をあてている。
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