空しか、見えない
「こん中に、あいつにひどいこと言われた奴っている?」

 のぞむが問いかけると、残る全員が首を横に振った。

「義朝からは、陰口や小言も聞いたことなかったよ。先生の悪口だって全然言わなかったんじゃない」

 マリカが、そう受けた。

「相談を持ちかけたり、誘ったりして断られた奴はいた?」

 続くのぞむの質問にも同じだった。

「やっぱな」

 のぞむはそう言って、でれんと伸ばした両足の先の方を見ていた。
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