空しか、見えない
白のカップに注がれたダージリンティは、よく澄んでいて、香り高い。
婚約者である由乃の部屋で、純一は昨夜のメンバーたちとの再会の様子をかいつまんで話した。
彼女は昨夜ずっと部屋にいたようだ。ピアノの周辺にだけ、楽譜や鉛筆がわずかに散らかっている。
「悪かったね、週末なのにひとりで留守番させて」
向かい合って座る由乃はベージュのブラウスを着て、笑みを浮かべたまま首を横に振った。
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