空しか、見えない
「別に知っていたし、いいよ」
「そう言うと思った。ところで、今日のこの紅茶は、ずいぶん香りがいいね」
「私も純がそう言うと思った。前にだめだしされたから、今日はずいぶん慎重に紅茶を淹れたの」
前には珈琲の淹れ方、トーストの焼き加減だったこともある。だめだしなんてしているつもりはないが、少し顔をしかめただけで、由乃は敏感に反応し、まるでピアノのレッスンと同じように次までにクリアしてくる。純一は、いつも何をするにも真剣に立ち向かってくる婚約者が愛おしくもあり、どこか繊細すぎるガラス細工のようにも感じていた。
「そう言うと思った。ところで、今日のこの紅茶は、ずいぶん香りがいいね」
「私も純がそう言うと思った。前にだめだしされたから、今日はずいぶん慎重に紅茶を淹れたの」
前には珈琲の淹れ方、トーストの焼き加減だったこともある。だめだしなんてしているつもりはないが、少し顔をしかめただけで、由乃は敏感に反応し、まるでピアノのレッスンと同じように次までにクリアしてくる。純一は、いつも何をするにも真剣に立ち向かってくる婚約者が愛おしくもあり、どこか繊細すぎるガラス細工のようにも感じていた。