空しか、見えない
「今更ふたりで会って、何を話すつもり?」

 のぞむは勝手すぎると言ってやりたかった。大体のぞむ以外のメンバーは、今日だって朝から仕事へ出ていたのだ。明日だって、明後日だって早朝から仕事なのだ。
 少しの間続いた沈黙が、佐千子にはやけに長く感じられた。

「ねえ、私、訊いているんだけど」

「じゃあサチは、もう会えなくていいの?」

 のぞむの声が耳の奥にまで急に沁みてきた。
 どうして今頃現れて、そんな風に親密に話そうとするのだろう。ふたりだけで会って、何を話したいというのだろう。
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