空しか、見えない
佐千子のパソコンのメールボックスが、深夜にメールを受信していた。2通とも同じiPhoneからの送信だった。
出がけにパソコンを確認したのは、心のどこかでのぞむのメールを待っていたからだ。
みんなにあてた、のぞむらしいメールを読む。
〈久しぶりに会えて、うれしかったです〉か。それでも佐千子は、そのメールの文章にのぞむの心を感じた。まだ、つながっている。そう思いたいのだ。
だとしたら、もう一通のこのメールは何なのだろう。
〈Hello SACHI!〉
英文だ。のぞむの悪戯だろうか? もしかしたら何か特別な思いを託したくて英語で書いたのだろうか?
けれど、文章はこう続いた。