空しか、見えない
「そう思う?」

「もちろん。俺思うけどね、こういう問いかけっていうのが、本当の言葉のやり取りなんだろうね。お互いに、心から問いかけ合って、答えていくうちに、どちらにも行き当たるところはできるんじゃないのかな」

 純一の肩に、千夏は体を寄せる。

「そうね。やっぱりのぞむなんて、もうどうでもいいって思うかもよ。だったらいいのにねー、サセ」

 千夏は、少しからかうようにそう言った。
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