空しか、見えない
料理が今日は幾品も、狭いテーブルにぎっしり並んだ。小さな皿にそれぞれ味も香りも違う色とりどりの料理が並ぶ。まだ自分よりも若いルーが、なんて手際がよいのだろう。のぞむの母親にだって、こんな風にはできなかった。
「のぞむ、話があるよ」
箸をつける前に、ルーが切り出した。
「ねえ、のぞむ、もう1回だけ訊くよ。私たち、家族のように過ごしてきたのだから、本当の家族になってもいいんじゃないかな」
のぞむは、息をのむ。さっきまですぐにも食事に食らいつきたいと思っていた気持ちが、失せてしまう。
「だって私たち、うまくやってきたじゃない? のぞむは、こんな他人のはずの母子に、十分優しかったよ。それは愛ではないの?」
また同じ質問だと、のぞむは思う。目を合わせるのも億劫で、膝の上の子の手を握る。丸くて、ふくよかな手だ。
答えられないまま俯いていると、ルーはこう言った。
「OK,もうわかった。ハオラ」
言葉の最後は、中国語のようだった。
「のぞむ、話があるよ」
箸をつける前に、ルーが切り出した。
「ねえ、のぞむ、もう1回だけ訊くよ。私たち、家族のように過ごしてきたのだから、本当の家族になってもいいんじゃないかな」
のぞむは、息をのむ。さっきまですぐにも食事に食らいつきたいと思っていた気持ちが、失せてしまう。
「だって私たち、うまくやってきたじゃない? のぞむは、こんな他人のはずの母子に、十分優しかったよ。それは愛ではないの?」
また同じ質問だと、のぞむは思う。目を合わせるのも億劫で、膝の上の子の手を握る。丸くて、ふくよかな手だ。
答えられないまま俯いていると、ルーはこう言った。
「OK,もうわかった。ハオラ」
言葉の最後は、中国語のようだった。