空しか、見えない
 みんなが華やかな世界で、自分の希望を確実に叶えていっているように見えていた。
 だが佐千子ばかりは、希望と現実とのギャップを抱えながら、ひとりで悶々としていた。大手新聞社の中途採用を待つのだと自分に言い聞かせながら、だんだん現実の日々に慣れていこうとしている。
< 62 / 700 >

この作品をシェア

pagetop