空しか、見えない
 確かに鞄に詰めるには妙に長くて、だからといって紙袋に収めるにもやけに目立ちそうで、何とか無理くり鞄に押し込んだのだ。

〈3年A組30番 野上佐千子〉

 環はそれを大声で読み上げると、目尻を下げる。

「そうそう、サセはA組だった。ほら、せっかくなんだから、下げなさい」
< 71 / 700 >

この作品をシェア

pagetop