空しか、見えない
 他の乗客は車両に数人ずつとまばらだが、恥ずかしさは変わらない。

「嫌です。ねえ、環も首から外してよ、一緒に鞄に入れておいてあげるから」

「だめー、俺の宝もんだもん」

 25にもなった大人たちが、すっかり、あの頃に戻っていた。
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