空しか、見えない
「お、早速、遅刻の連絡だよ。誰だと思う?」

「わかんないよ。みんな、時間が過ぎたんだからさ」

 佐千子も、少し皮肉を込めて、同じ台詞を環に返す。昔から、そんな風に負けず嫌いだったのだ。

「なんだよ、サセ、怒ったの? もうそろそろ丸くなってもいい年頃なんじゃないの?」

「いちいち、うるさい。それで、誰? 遅刻するの」

「千夏だよ。ほら見な」

〈いま起きた。ごめん〉

 「って、なんだよ、まったく」と、環は続ける。 
 千夏は、よほどいまの相手に夢中らしい。佐千子も、呆れてため息をついた。
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