貧乏お嬢様と執事君!
妹がねだればどんなことでも聞いてくれる、とでも思っていたのだろう。
「………そう?だったら仕方がないわね」
素早く一つの策を諦め、由姫華は立ち上がった。
レンもそれに続き重い腰を上げる。そして間髪をいれず由姫華の方にジャケットをかけなおした。口調は雑いものだが一通りの礼儀は通っている。
「お邪魔したわねカイト」
「………いいえ。沙良様の妹気味とあらば」
沙良様、ということで自分はこの方の執事だということを強調した。
それを受け取った由姫華は見下した目で鼻を鳴らした。馬鹿な奴、と短く吐き捨てた。
「お姉様。私の性格はご存知でして?」
「よく知ってるけど………」
鷹司は指を折った。見る見る間に残る指が少なくなっていく。