トルコの蕾





「…タッちゃん…」




真希は包みの中身を愛おしそうに眺めたあと、ふうと一息ついてそして言った。




「…あたし、彼とは別れたの」




えっ、と声を漏らして太一が真希の顔を見た。




「ほんとよ、タッちゃん」




真希はにっこりと笑って、太一から受け取った包みを太一に差し出した。




「…これは、あたしが言わなきゃいけない台詞かもしれない」




「…えっ?」




太一が包みを受け取り真希を見た。




「あなたのことが好きよ、タッちゃん」




真希はしっかりと、太一の目を見てそう言った。




「ずっと、ずっと、ずーっと前から、タッちゃんのことが好きだった」




「……真希……」








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