短編集~The Lovers WITHOUT Love Words~

二人の関係、か。

雪音は突然の質問に、口ごもる。
一言で言えば、恵一の言うとおり「赤の他人」だ。
雪音が9歳の頃から、恵一が高校を卒業するまで、同じ施設で過ごした。ただそれだけ。
同じ施設にいた子なら、他にもたくさんいる。そこのきまりで、年上の子は「にぃ」「ねぇ」と呼ぶことになっていた。だから「恵一にぃ」だけが「にぃ」な訳でもなかった。

「あの、なんていうか話せば長くなるんですが昔私が・・・」
混乱した雪音が、取り留めのない壮大な話をし始めたのを、恵一が遮った。


「妹です」

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