スピリット・オヴ・サマー
 事実、憲治の心にはこの「少女」に対する警戒感はまるでなかった。確かに会ったばかりの頃は神秘的な雰囲気もあいまって、何度となく「怪談」の二文字を思いイヤな感じもしたものだが、今となっては不思議ですらない。今この瞬間でも、自分の命が削られている、そう分かっていても、だ。
「そう言うもんだ、霊的なモノなんて。人間の心理状態が『見える』様にしてるだけ。どごさでもいる。いつでもいる。今だって、皆気がついてねぇだけだァって。」
 そう言って「少女」はプールではしゃぐ子供達を指さした。
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