スピリット・オヴ・サマー
ちゃらちゃらした関係は御免だった。それだけに、惚れた女の子にラブレターとは男らしさの欠片もないと、長年信じ続けていた。
「可笑しいだろ?男が『恋文』だぜ、卑怯だよな。」
「卑怯」と言ったのは大げさでもなんでもなかった。
別々の高校に進んでから3年後の冬。クラス会で会った千佳子に、憲治は再び心揺れた。押さえ切れない思いが便せんの上にあふれ出し、それはポストの中に投げ込まれた。卑怯だと思った。未だにそう思っている。面と向かってものも言えない臆病者のすることだと、そう思い続けている。
「可笑しいだろ?男が『恋文』だぜ、卑怯だよな。」
「卑怯」と言ったのは大げさでもなんでもなかった。
別々の高校に進んでから3年後の冬。クラス会で会った千佳子に、憲治は再び心揺れた。押さえ切れない思いが便せんの上にあふれ出し、それはポストの中に投げ込まれた。卑怯だと思った。未だにそう思っている。面と向かってものも言えない臆病者のすることだと、そう思い続けている。