異端の足掻きは月のみぞ知る


“殺す”


これは、“完璧な殺意を喰って”初めて刃を出すものだった。


殺そうや殺したいという願望ではなく、確約した殺意があって初めて抜ける。


原理は知らない。先生に聞いてくれ。僕はそういうもんなんだと受け入れているから。


準備は整った。
一応は刃を前に突き出すも進むことはしない。


というか、勝負する前に僕の負けは決まっていた。


「わわっ」


向かってきた主さんに対して、僕は背を向けることはしないものの逃げるばかりだった。


言ってしまえば、僕に剣術の心得はない。


殺戮犯とは言えども、殺してきたのは一般的市民ばかり。そこに技術は必要なく、要るのは凶器だけでいい。


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