異端の足掻きは月のみぞ知る
「“完全魔術耐性”(マジック・キャンセラー)……。そんなまさか」
お姉さんの声。
主さんの邪魔にならないように傍観していたのか、起こったことをそう例えた。
「主の炎を消すだなんて……」
「少し、頭にくるな」
しまった。
どうやら今ので主さんのプライドに触れてしまったらしい。
くわばらくわばらと言っても、いさめられないだろう。
よせばいいのに、間違いでないのを確かめるためか、主さんは炎――先ほどよりも大きいものを出したが、結果は同じ。
「むかつくな」
勝手にやって、勝手に怒り始めたよ、この人。
にしても、この短刀にはこんな能力があったのか。まじ凄い。
ただ現代日本では魔術なんかに合わないため、無意味な能力でしかないが。