異端の足掻きは月のみぞ知る
――と一般的論理を持つ僕なわけだが、どうやらファンタジーは僕を見捨てなかったらしい。
「は?」
それは複数混じった疑問声。「は」かもしれないし「え」かもしれないしで、三者共に驚いた。
炎が消えたのだ。
正確には吸われた。
例えを交えるなら“喰われた”に違いない。
僕が持つ短刀、小狐丸が主さんの炎を受けて、消し去っていた。
赤い回廊は刃にあたり、ちりちり霧散する。
跡形もなく。炎が消えたあとは、変わらぬ夜が待っていた。
ぽかーんとした僕に対して、主さんも呆然としているだろうが決してそれは間抜け顔には見えない。イケメンに限る、どんな顔でもかっこいいという原理だ。