異端の足掻きは月のみぞ知る
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殺戮犯こと柳葉草(やなぎば・そう)は、小狐丸の本質を知ってはいなかった。
無理もない。
草は神秘術関連において無学である。
普通に生活していれば、まず魔術魔法関連については琴線にも触れない。
だから、草にとって、小狐丸はただの短刀としての認識しかなかった。
偶然にも巡り合わせた吸血獣には、“神秘術の塊”“殺傷に長けた兵器”と言われても、理解はしていないだろう。
それは、本質を目の当たりにしても変わらない。そういうものなんだとまとめるのが草である。
事実を正せば、吸血獣の言った通りに小狐丸はただの短刀(凶器)というカテゴリには収まらない。