異端の足掻きは月のみぞ知る


最初はよく切れる刃だった。


月日が経ち、刃は呪術師に渡り、“人を殺すため”に特価した能力を付属させた。

人間ならば難なく切れる。骨だろうが、固いという概念を越えて、切れるようにしたのだ。


年月が経ち、刃には意思が宿った。殺すという殺意を喰い満たす無機質な意思を持ったのだった。


空腹――器に入った水がなくなる度に、刃は“担い手”のもとに行く仕組みを作り、今まで幾多の人間に使われ、殺意を喰い、血を流してきた。


蓄積された殺意と死者の憎悪と血は、短刀に更なる“まがまがしさ”を備えた。


時間をかけた兵器であり、奇跡。

恐るべき武具であり、神秘。


凶器の枠組みを通り越し、“ただ殺傷するために在る兵器”と刃はなった。


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