愛が逃げた部屋


真由美と浩輔は社内結婚だ。結婚を期に真由美は寿退社。


あの時会社を辞めていなければ、そう思うこともしばしばある。


勿論、浩輔のことは今でも好きだ。ただ付き合っているときと結婚してからどちらの方がより浩輔を好きだったかと問われれば、付き合っているとき。



結婚をしたことによって浩輔を愛する気持ちは薄まったような気がする。



結婚前は彼に会いたくて会いたくて、会社に行くのが楽しみだった。出来るならずっと一緒に居たいと思っていた。


そうだ、ずっと一緒に居たかったから結婚したのだ。



だが、今はどうだ。



浩輔は出張。家には会社に行っていていつも居ないに等しい。


だったら浩輔の部下として会社でも一緒に居ることの方が幸せだったのではないか?



今はそんなに浩輔と一緒に居たいとは思わないが。



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