隣の席のキミ

勇気 Yuka




――――――人生で一番恥かいた…かも…(泣)
……みんな、なんで教えてくれなかったんだろ…。
でも、自分が悪いから、仕方ないね。
元気出さなくちゃ!!


せっかく、藤田がくれた“勇気”があるんだから!!



告白前と言うこともあって、今日1日、なんか落ち着かなかったもんなー。
って、まだ1日終わってないよ~!!


本番はもうすぐ。

「由花、大丈夫??」
サッカー部員達を一緒に隣で待っていてくれる真菜が心配してくれる。
……怖い……
……でも……本当に心強いよ…真菜。
真菜達がいてくれたから、私は立ち直ることが出来た。
藤田を好きでい続けることが出来た。
今日、もりちゃんはバイトに行っているから、今は一緒じゃないけど、「…頑張って!!………バイト先から応援してるからね!」って言葉をくれた。

もう、気持ちだけでじゅうぶんなのに…。
「……あ!由花!!」
真菜の声に反応し、私は気付いた。
遠くの方からこちらへ向かってくる男だらけの集団…。
あれは、間違いなくサッカー部。
こんな状況に動揺する心。
ど、どうしよう…
やっぱり………
そんな弱気になったとき、隣にいた真菜は言った。
「……大丈夫!!由花、あたしがついてるよ。由花らしく、行ってこい!!」
そして、とびっきりの笑顔を見せてくれた。
真菜…。
私は気付いた。
誰のどんな笑顔でも、その笑顔が本物なら、必ず、勇気の素になると。
だからね、私、その勇気で、今から、頑張ってくる。
真菜…勇気…くれてありがとう。



だんだんと近付く告白の瞬間。
この先、どんな結果でも、結ばれても、フラれても、絶対に……

後悔だけはしないよ。

だって、君達がくれた、勇気の素があるから…。


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