アイの在り方
……さて、これからどうしようかな。家はアイツ名義だから自由ってほんとに自由になっちゃった。貯金は僅かで新しく家を借りるなんて絶対に無理。
「母さんに…」
きっと、ものすごく怒られてお姉ちゃんと比べられて…―
見えてしまった母さんの言葉や態度がやる気を削いでしまった。
「…しばらくネカフェ行こう」
野宿なんて無理だし…あの人の所には行けない。うん、1からのスタートと思えばやれる。
そして―…ネットカフェで3日目。隣から聞こえる雑音にも慣れてパソコンのバイト募集もマメにチェックしてうぅ〜んと背伸びしながら寝転がった。
小さな箱みたいな部屋に居心地悪さはあるけど…―自由だから。
何にも持っていないあたしには充分過ぎる城だよね。
小さな毛布にくるまり眠ろうとした時、隣の部屋から大きな声が聞こえた。
それは耳を疑うような突然の訃報。
「リリィが自殺だって!」
「即死かよ〜…」
カップルの話してる情報が信じられなくてパソコンを立ち上げた。いつものリリィのブログを開く。
「……うそ」
そこにはリリィの音楽スタッフからのお悔やみの報告…―
嘘じゃなかった。
マウスを動かせずにチカチカ光る画面を見つめていた。