薄紅空
「あたしに、悪いと思うんじゃないよ。村娘のご身分じゃ届かない場所へあんたは行くんだから。」
奈津は露を叱責するように言う。
「分かってる。」
「あしたはこれを来てお行き。・・・ああ、そうだ。まだあんたに渡さないといけないものがあった。」
奈津はそう言って立ち上がると、家財を仕舞ってあるかごから、しろい小さな包みを持ってきて、露の手に握らせた。
「開けてみなさい。」
言われるままにその包みを開ける。
現れたものに、露は言葉を失った。
「これは・・・・」
包みから出てきたのは、美しいメノウの腕輪だった。
それは、美しい空よりも、深い海よりも鮮やかな青色をしていた。
「あんたと一緒に、着物にくるまれていたものだよ。」