薄紅空
奈津は、そのメノウを見ながら静かに言う。
「その着物も腕輪も、あたしに価値は分からない。だが、あんたはきっとどこかいいところの生まれなんだろうね。」
奈津はそう言って、露をしっかりと抱きしめた。
「あんたがどこの生まれの娘だろうと、どこへ行こうと、あたしが育てからにはあたしの娘だ。それを忘れないでおくれ。」
奈津の言葉に、露は涙をためて頷いた。
「あんたが選んだ道だ。これから先、どんな道を進むことになっても、自分で決めたら迷うんじゃないよ。」
くぐもって聞こえる奈津の声が、どこか震えているように感じた。