Black Peace

最初に見えたのは、白い天井だった。

我が家のものではない。でもこの天井はどこかで見たことがある…気がしなくもない。

蛍光灯の白い光が瞼の間から差し込んできて、思わず目を細める。


「…あ…?」

徐々に意識がはっきりしてきた。俺は今どこにいるんだ?
体は横たわっており、白い布団がかけられている。とても居心地がいい。

どうやらベッドの上で寝ているらしいが、このベッドもどこかで見に覚えが……


「……病院?」

少しあたりを見渡してぽつりとつぶやく。

今いる部屋の形や、寝ているベッドの形からして、俺は今病室にいるようだ。
だがなぜ俺がこんなところで寝ているのかよく分からない。いや、思い出せないのかもしれない…

とりあえず体を起こそうとしたが、


「…いってっ!」

瞬間に動かした間接等から痛みが走る。

自分の体をよく見ると、包帯やガーゼが体中に付けられていた。アザも幾つもあり、そのすべての傷からズキっとした痛みが襲ってくる。

あ、そういえば俺、夜佐神の敵をとるためにひとりで乗り込んで、さんざん殴られて……


「おはよう。柴田君…」


唐突に横から誰かに名前を呼ばれた。

声のしたほうに振り返ると、そこには……


「や…さ…神?」


俺の隣のベッドで、アルコール中毒で病院で寝ていたはずの夜佐神が、俺に微笑んでいた。
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