Black Peace

「大野さん…つよ……」


みんなが唖然とする中、香川が目をパチクリしながら最初に口を開いた。

そういやあいつ地元で暴君大野とか言われてたんだっけ…
最近おとなしかったからすっかり忘れていたが、そういえばこいつは入学初日に初対面の男子生徒をダンボールでぶん殴るような奴だったな。


でもまさかあんな華麗なハイキックを決めれるほどの腕の持ち主だとは思わなかった。

…たく、最後だけいいところ持って行きやがって!



すると遠くから、救急車のサイレンが聞こえてきた。恐らく香川が呼んだものだろう。

「…はぁ……」


ようやく終わったか思うと、思わず安堵してしまう。

体中痛いはずなのに、なぜか千秋に抱えられながら横たわって倉庫の天井を眺めているこの状況が、さほど悪いとは思わない。


こんなこと思うのは柄じゃないかもしれないが


疲労のせいか、しだいに瞼がゆっくり降りてくる。

そんな俺の様子を見た千秋は、優しく微笑んで俺の頭をゆっくりなでた。


徐々に大きくなるサイレンの音を聞きながら、俺はまどろみに落ちていった……




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