私の子猫くん
「ここがベッドでしょ?ここがトイレ。で、ここがご飯を食べるとこだよ。」




コウの前で、私は買ってきたものを一つ一つ置いていった。




猫は気まぐれで、話なんか聞かないと思ってたけど、



コウは、私の言葉にちゃんとにゃーと鳴いて、反応を示してくれているような感じで。




「ねぇ、コウ。私の言葉が分かる?」




思わずそんなあり得ないことを口走ってしまった。




「って、そんなわけな……」




私がそう言いかけたとき、コウはその言葉を遮るようににゃーと鳴き、




私の足に擦り寄ってきた。



「……コウ?」




私は、コウをゆっくりと抱き上げた。




「……うん。私がどう思ってても自由だから、コウは私の言葉が分かるってことにしておこう。」




私はそう言って、柔らかなコウの体を撫でてあげた。

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