私の子猫くん
私の生活は、お世辞にも充実したものとはいえない。
それは金銭的にも、心身的にも。
「にゃ。」
でも、コウがいれば、こんな私でも、少しくらい生きてていいのかなって思えてきた。
「……ありがとう、コウ。」
私は、コウを胸に抱きながら、涙を流していた。
「にゃー……。」
心なしか、コウの鳴き声も悲しげに聞こえる。
「……コウが、本当に人間だったらいいのに。」
私は、涙を拭い、そう呟いて、コウに優しくキスをした。
「……あ、そろそろバイトに行かないと。じゃ、コウ。ちょっと出かけてくるから、大人しく留守番しててね。」
私は、コウを撫でたあと、身支度をして、バイト先に向かった。