【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~
「うっ……」
薄闇に包まれた空間の中で、気を失っていた晃一郎は、身体を包む倦怠感に低く呻いて、ハッと目を開けた。
すぐ後ろを着いてきていたはずの優花の姿が消え、必死で探すも、その痕跡すら見えず、
焦っているうちに、ぷつりと、意識が途絶えてしまったのだ。
ゆっくりと、晃一郎は、上半身を起こして、まだはっきりとしない頭を振る。
背後から、何者かに襲われでもしたのかと思ったが、そうでもなさそうだ。
今、変な波動は感じない。
優花の気配は、近くにあった。
そして、もう一つ。
酷く懐かしい、気配も感じる。
もしや、と、
気配のする方へ走らせた視線が、一点で固まった。