【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~
二人で手下を片付けているすきに、あのグリードはやすやすと玲子を傷つけることができるだろう。
優花では、男子生徒五人を短時間で倒すのは、到底無理。
かと言って、覚醒したばかりのゴッド・ハンドをターゲットを絞らずに発動させるのは、危険すぎた。
下手をしたら、晃一郎の力まで吸い取ってしまうかも知れない。
晃一郎が言う方法でしか、玲子は助けられない。
頭では理解している。
――でも、
でも、もし、失敗したら――。
背筋を走る恐怖で、答えることができない。