守るべきもの
「じゃ、本部に行って来るから。」


修ちゃんは、玄関まで私を送ると離れ辛そうに言った。


「気を付けてね。」


「沙依も気を付けて。」

「行かないで。」


そう言いたかった。その言葉の代わりに、私からキスをした。


修ちゃんは、私の腰に手を回し抱き寄せた。


「行きたくない。」


私達は額を合わせて、別れを惜しんでいた。


「行って、早くもう行って。」


私は、修ちゃんを押し返した。
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