ワイルドで行こう

 あんだけぶっとばしたので、自分の身体はまだ甘さを継続中で心地よいけれど、ぶつけられた彼女はどうかと一応心配してみる。
 だけれど琴子は、英児の直ぐ下から見上げてくれて、にっこりと爽やかな笑顔。
「全然。……それどころか、逆にちょっと元気になれたかも」
 少し恥ずかしそうに頬を染め、こんな時に、『いいところのお嬢さん』のしとやかな微笑みをみせやがる。また英児の身体の中で、なにかがびくんと反応してしまう。
「琴子、なんか今朝はかわいいな」
「え、なに」
 テーブルに手をついて、英児は自分より小柄な彼女を両腕で囲ってしまう。
「いや、いつもかわいいけどよ。なんだよ、もっとかわいい顔しやがって」
 いまにもテーブルに押し倒されそうになりながらも、琴子も英児をじっと見つめてくれる。そんな彼女がそっと英児の頬に優しい手で触れてくれる。
「あんなに愛してくれたから、こんなに素敵な朝なんじゃない。くたくたにしてくれたおかげで、ちょっとの時間でもぐっすりよ。それに……」
 甘い声の余韻を残しながら、琴子から英児の唇にチュッとキスをしてくれる。
「今日はずうっと身体の奥に、英児さんが残ってくれそう……。そこがずうっと甘くて気持ちいいままよ」
 英児の身体の血がぐわっと沸き立った。この彼女はいつから、いつから、こんなえろくなったんだよ。はあ? 俺のせいか、俺のせい!?

< 658 / 698 >

この作品をシェア

pagetop